Dailog - ダイログ -

ろうあ者や手話通訳、時には時事ネタも突っ込む20代の次世代手話通訳者×全コーダが書くブログ。基本週一更新予定。

Our Summer

今年もこの季節がやってきました。

 

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そう、「全国手話通訳問題研究集会」です。

私は、福島・郡山集会(2014年/第47回)から3年連続皆勤賞継続中。
特に2年前の三重・鈴鹿集会(2015年/第48回)では全国手話通訳問題研究会N-Action委員会が正式に組織昇格された(2014年までは「U-35」として非公式的活動)ために、より一層次世代会員が参加すべきという重要度が上昇しています。

 

「全国手話通訳問題研究集会」、略して「全通研集会」と私たちは呼んでいますが、なんぞや?という方に簡単にご説明を。

1968年、第17回全国ろうあ者大会が福島県福島市で開催されました。この時、今のように単独ではなく、第2回全国ろうあ青年研究討論会、そしてこの「全通研集会」の前身である手話通訳者会議が開かれ、多くのろうあ者や手話通訳者が福島に集いました。

第2回全国ろうあ青年研究討論会、第1回手話通訳者会議を提唱したのは、3年前、奇しくも全国手話通訳問題研究会設立40周年の記念の年に急逝した板橋 正邦さんでした。

当時、1968年というと、25年ぶりの小笠原返還や3億円強奪事件に騒ぎ、また聴覚障害者の運転免許裁判の最中、まさに今のろうあ運動の成果はこの最中だったのです。

 

あれから49年、今年ついに、全国手話通訳問題研究集会が50回目の節目を迎えることになります。

福島開催だった第1回は71名、そのあと9年後に開催された第10回の福島集会では15倍以上の1,194名が福島市に集いました。第1回開催の8年後、1976年に全国ろうあ者大会から分離されて、今の夏の季節になりました。

以来、多くの歴史を刻み、手話通訳者の夏は全通研集会を抜きに終われないような恒例行事となっています。

1985年には、分科会を基本とした「全国手話通訳問題研究討論集会」が初めて大阪で開催。以後、2014年まで、年2回全国の仲間と考える機会が出来てきて、多くの会員間交流も活発になりました。

1988年、昭和63年には手話通訳制度が動きだします。厚生労働省が手話通訳士試験に向けて動き出し、平成元年に初めての手話通訳士試験を実施。相次ぐ頸腕症候群で各地の手話通訳者が相次いで労災認定されて、手話通訳者の健康問題も大きくクローズアップされていった年でした。

2015年には、分科会部門を全国手話通訳問題研究討論集会より吸収し、以後年1回の集会に戻りました。今や夏の風物詩であり、1,000人を超える手話通訳者とろうあ者が一斉に会し、福祉・人権・コミュニケーション・歴史を学び、議論を深める集会として在り続けています。

 

今年の集会の要項は、以下のリンク(行事案内に飛びます)から見ることができます。

www.zentsuken.net戦後72年になり、昨年は当時アメリカ合衆国大統領バラク・オバマ氏が初めて原爆被爆地に足を踏み入れ、話題になりました。今回の開催地は広島県の東部、東京から新幹線「のぞみ」で3時間半、新大阪からは1時間で到達する福山市で開催されます。

 

詳しい案内は省きますが、講座にはヒロシマをめぐる講座や、被爆体験などが肝となっており、講座関係には例年以上に地域色が映えた形になりました。

また、分科会は昨年同様、8の分科会が開かれ、活発な議論が繰り広げられることでしょう。

 

昨年は都合で2日目からの参加でしたが、例年では1日目のお昼に始まり、その日の夜は交流会で老若男女問わず交流を図り、2日目は朝から勉強。夕方にはN-Action委員会のつどいがありますので、そこに顔をだし、次世代活動のヒントを参加者とシェアします。そのあと交流会があり、3日目は寝不足でありつつも気を引き締めてお昼まで勉強するという流れです。

 

この集会が安否確認、とまではいかないものの、全国の仲間と会える貴重な機会ともあって、交流目当てで参加する方も多くいます。仲間と会うっていうのは簡単かもしれませんが、ヒントを得る、一緒に考えるというのはなかなか簡単にはできません。こういう機会は大事にしていかなければいけませんね。

私自身も、この集会に参加し続けて増えている仲間もいます。年代は関係なく、学びたいことが学べる機会、そして多くの仲間に会える機会です。

 

今年は過去3年の開催地よりも遠い広島県での開催ですが、今のところ参加を検討しています。福山市内のホテル、今のところは集会申込を通じて、旅行代理店が宿泊予約を受けていますが、東京からだと新幹線往復+ホテルというセットパックプランもあるようで、東京以東から参加の方はそちらも検討してみては。

 

P.S.今年もN-Actionのつどいはあるようです。2日目の夜は次世代活動の議論を深めて、同年代の仲間を増やそう!