Dailog - ダイログ -

ろうあ者や手話通訳、時には時事ネタも突っ込む20代の次世代手話通訳者×全コーダが書くブログ。基本週一更新予定。

第28回全国聴覚障害教職員シンポジウムを終えて

 あまりの暑さに、こりごりです。先日、自宅の最寄りの測候所は、正午のニュースで記録が伝えられるなど、あまりにも数年前よりも高温で体が追いつきません。

 

 さて、7月末岩手県盛岡市で「第28回全国聴覚障害教職員シンポジウム東北大会」が開催され、無事成功裡に終わりました。全国各地からお越しいただいたみなさんに、心から感謝申し上げます。東北シンポジウムでは、現地事務局で事務の担当をさせていただきました。現地事務局は実行委員長と2名の計3名で準備に当たりました。
 時は遡ること、昨年11月協力要請のもと、できる範囲でお手伝いさせていただくということで半ば実行委員会に入って“しまった”わけですが、今改めて思うと膨大な仕事の量を前に、その想像すらしないで二つ返事してしまったのだろうと思い返されます。

 仕事が始まってから大会までの4ヶ月間は、今思うと本当にハードでした。しかし、大会3日間やりきったあとのみなさんの笑顔、そして主催者である全国聴覚障害教職員協議会のみなさんから感謝のお言葉をいただいた時、「やりきった」という思いが強くなり、結果となっては楽しかったと言い切れます。

 事務局として仕事を引き受け、また現地事務局という名前であるものの、開催地とは400km以上離れた福島で事務局を立てたことは決して簡単なことではありませんでした。開催地である盛岡との意思疎通、そして会場担当者が事務局にいないという状態ですから、本当に色々なことがありました。ここで細かく出すのはやめておきますが、「一つのモデル」としては面白いやり方ではあったのではないかなと感じるところです。

 

 私はろう教育をまだよく知りません。自分の両親がろうで、ろう学校出身であってもろう学校の校舎に入ったことはないし、ろう教育が実際にどう行われているのかもあまり存じ上げないところでした。ですから、本当に今回のシンポジウムでは”完全アウェー“の立場でした。それも一ついい刺激になったのではないかなと思います。

 事務局の仕事もありましたので、すべてのプログラムを見れたわけではありませんが、どの場においても指摘され、また話題に上がっていたことはどれも重要なことばかりであったと思います。特に私たちが考えなければならないなと思ったのは、登下校中の子どもたちの安全をどう確保していくか、です。これは、通常時もそうですが災害発生時などの安全確保は多くの課題が残っています。情報が得にくいという情報障害、そして子どもという社会的に弱い立場(社会的に弱いというと見下しているような気がしてこの表現好きではないのですがすいません)の二重状態で、どのような安全確保が望ましいのか。とても考えさせられました。

 そして、僕が一番楽しいなと思ったのは、「日本語にとらわれない」教科指導です。これは最終日に実際に参加者がグループを作り、実践したものです。数学や社会、国語などを題材に(今回のテーマでは小学生クラスの比較的教授しやすい題材)トライしてみるというものでした。数学の立方体の表し方、社会の地理の教え方等々、各参加者がひねりにひねった表現を発表し、「ああ、こういう教え方もあるんだな」と頭に雷を打たれたような時間でした。

 ということで、あまり長く書いても見辛くなるので、このへんにとどめておきます。

 事務局として関わることができて、とても有意義な3日間でした。その前の一週間は実のところ4時寝6時起きの生活で、目にクマができていましたが・・・(笑)。ありがとうございました。